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おるすわん図鑑 Vol.2 〜フレンチブルドッグ〜
2017/09/06

まるで人間のように後ろ足を投げ出して座ったり、イビキをかきながら仰向けで眠ったり。
「ゆるかわ犬種」代表のフレンチ・ブルドッグはリラックス上手。
このような姿を見ると、およそストレスなく毎日を楽しんでいるように思えます。

この犬種の人気は近年上昇中。
フレンチ・ブルドッグには本当にストレスはないのでしょうか?
今回は、この犬種をさまざまな角度から見てみたいと思います。

 

歴史

ブルドッグは、アジアン・マスティフを元に交配された犬種で、中世の英国ではブルベイティング(複数の犬に牛を襲わせ殺させる見せ物やこれに関する賭け事)に利用されました。
当時の犬達は、現在のように大きな口や強い顎を備えていながら鼻はそれほど低くなく、体高は中~大型犬ほどで足も長かったようです。

私達が知るブルドッグは、19世紀半ば以降、このご先祖に他犬種との交配を重ねて作られ、現在の種類はイングリッシュ、フレンチとアメリカンの3種。

フレンチは、主に富裕層のペットや番犬として、小型のイングリッシュを元にさらに他犬種との交配を経てつくられました。
フレンチは3種の中では最も体格が小さく、また蝙蝠のような大きな耳が特徴。
日本には明治時代に外国人により持ち込まれたそうです。

 
気質

フレンチ・ブルドッグの多くは陽気なのんびり屋。
環境への適応に優れ、初めて出会う人や他の動物に対しても落ち着いてふれあい上手く付き合うことができます。
愛情豊かで甘え上手。
「大きな目で見つめるだけ作戦」は破壊力抜群。
それなりにイタズラもしますが、ご家族の工夫で多くの場合は重大なアクシデントに至らないようです。

 そのため、初めて犬を飼う人や落ち着いた犬を希望する人に向いていると言われています。広いスペースは必要なくマンション暮らしにも充分適応可能。
ご家族の年齢や規模に関わらず、メンバーがそれぞれ希望される方法でワンちゃんとの時間を楽しめます。

例えば、子供達とはボール遊び、ママさんとはドッグカフェへのおでかけ、高齢のご家族とは近所の散歩や日向ぼっこ。
大家族であればワンちゃんも一層充実した毎日を送れることでしょう。

しかし、フレンチ・ブルドッグは、激しい運動や長時間の散歩に適していません。
短頭種特有の呼吸器疾患の可能性があり、特に夏場の激しい運動には要注意。
基本的に泳げないため、プールより行水がお勧め。
多くの飼い主さん達は1日2回30分程度の散歩を基本として、愛犬の健康状態や気温などを見ながら短時間のボール遊び1回または複数回を組み合わせておられるようです。
 

病気

短毛のためグルーミングは簡単ですが、医療面で特別な配慮と費用負担が必要となる可能性があります。
かかりやすい疾患は、呼吸器疾患、アレルギー、皮膚のトラブル、耳・鼻・目の疾患や外傷、股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、関節炎、てんかんや脳疾患など幅広く、また肥満は大きな問題です。

特にフレンチは骨格が小さいため少しの体重増加でも健康への影響が大きく、呼吸困難など二次的な疾患に発展することも。
ご家族による日常の体型・体重チェックと獣医さんによる定期的な健康診断は欠かせません。



お留守番

フレンチ・ブルドッグは“The Seven Best Dog Breeds for Someone who Works All day(一日中お仕事で忙しい飼い主さんに最適の7犬種)”のひとつとして紹介されています。
主な理由は、必要な運動量が比較的少ないこと、ヒマなら寝て過ごせること、あまり吠えないこと。

また、フレンチ・ブルドッグに関するある調査では、分離不安の症状や問題行動を見せなかったワンちゃんは調査対象全体の63%、中程度の症状や問題行動を見せたワンちゃんは32%、重篤な症状や問題行動を見せたワンちゃんは5%でした。

しかし、適応力に優れるフレンチ・ブルドッグも分離不安と全く無縁ではありません。
ペットにするために作られたという経緯を考えると、ご家族への愛着が強いことは当然であり、また過剰な愛着や依存は分離不安の原因のひとつと考えられています。

なお、分離不安のフレンチ・ブルドッグが見せる典型的な問題行動や症状は以下のとおりです。

  • ドアの下を掘って、または壁や窓を引っ掻いて家から出ようとする
  • 吠え続ける
  • 屋内の家具などを噛んで破壊する
  • 自分自身の体を噛んだり、舐め続けたりして傷つける
  • 教えられた場所以外で排泄する
  • 食欲不振・無気力・鬱
  • 家の中でご家族に付きまとう、ご家族と一緒に寝ようとする
  • クレートに入ろうとしない

意外に多いのが排泄の失敗で、ご家族がでかけようとすると発生するのが特徴的。
ワンちゃんが独り残されることを察知しストレスが高まった証拠と言えるでしょう。

他犬種では事前に十分運動させることで留守番中のストレスを軽減できますが、ブルドッグ系の一部のワンちゃんは、呼吸器疾患等により運動を制限せざるを得ず、この方法が必ずしも適用できません。
また苦労して教えたクレートも留守番により嫌がるようになったケースも報告されています。

分離不安の対策

ここではフレンチ・ブルドッグの飼い主さん達やブリーダーさんが、分離不安の対策として推奨されている例を紹介します。

  • おでかけの前に、ワンちゃんに運動させ※ 、食事を与えてから排泄を完了させる

事前に排泄を済ませておけば、飼い主さんがでかける際にワンちゃんが用を足す可能性はかなり減る。
食後20分程度で排泄することが多い。
また胃捻転などを予防するため運動前に食事を与えないこと。
※ワンちゃんの健康状態等をあらかじめご確認ください。

  • ご家族が長時間不在にされる場合、またはワンちゃんの持病などで排泄頻度が高い場合、留守番中のワンちゃんの居場所をサークルなどにより清掃が簡単なエリアに限定する。
    リノリウム等の床であれば清掃が簡単。
    給水ボトル、トイレシーツ、ドッグベッド、クレートなどを設置。
  • 飼い主さんが家を出る際、美味しいおやつ※などでワンちゃんの気を逸らせる

「飼い主さんのおでかけ=美味しいものがもらえる」と印象付ける。
コングにピーナツバターを詰めたものなど、できれば食べ終わるまで時間がかかるものが望ましい。
骨は喉つまりなどを起こす可能性があるので、この場合には適切ではありません。

  • お気に入りのぬいぐるみ、ご家族のニオイのついた服や温水の入ったボトルなどを与える。誤飲の恐れがなければ噛むおもちゃを与える。窓やその他気を逸らすものがある場所で留守番をさせる。
  • 他の犬や猫を飼う。
  • しっかりとリーダーシップをとる(必要に応じてドッグトレーナーに相談)
  • フレンチ・ブルドッグが分離不安になるケースの多くでは、ワンちゃんが自分をリーダーだと思い込んでいることが多い。飼い主がリーダーシップをとってワンちゃんを安心させることが一番効果的。 

 分離不安が疑われる場合、あらかじめ問題行動や症状の様子を動画で撮影して動物病院に持参すれば、より効率的な治療やアドバイスが受けられるでしょう。

分離不安の診断には症状や問題行動の内容もさることながら、これらがいつの時点で発生するかを確認することが重要です。

 フレンチ・ブルドッグの飼い主さん達は、ネット上のコミュニティサイトでも積極的に情報を交換されています。

愛犬について「こんな行動や癖はうちの子だけ?」「これは病院に行った方が良いの?」と思われたら、このようなサイトで先輩飼い主さん達のアドバイスを求めるのも良策かもしれません。

フレンチ・ブルドッグは満面の笑顔がトレードマーク。
心も体も健康で明るい笑顔の毎日が続きますように!

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