ペット向け家電が充実
Wi-Fiを利用した見守りカメラが人気
ペットフード協会の調べによると、2017年度の全国の犬猫頭数は、約1844万頭。これは、15歳以下の子供の数=1553万人(2017年度総務省統計局資料)を、上回る数字になっている。
見守り家電&サービス
自動で餌を与えたり健康管理ができたりと多彩
首振り機能と各種センサーを搭載し外出先からもペットの姿を探し出せる

ホームユニットKX-HJB1000。
【ホームユニット部】
●記録方式/MPEG-4
●記録メディア/microSDHC/SD
●無線LAN/IEEE802.11 b/g/n準拠
●サイズ/幅130㎜×高さ42㎜×奥行き130㎜
●重量/220g【共通】
●電源/AC100V●無線通信方式/DECT
●使用可能範囲/約100m
【カメラ部】
●撮像素子/30万画素CMOS
●画角/水平約70度、垂直約50度
●サイズ/幅77㎜×高さ115㎜×奥行き77㎜
●重量/270g
声がけや自動の餌やりが可能な犬用の遠隔コミュニケーションカメラ
ファーボは、4倍ズーム、自動暗視などに対応した、フルHDD解像度の固定カメラ。パナソニックと同様、通知機能や音声機能を持つほか、スマホからの遠隔操作で、おやつを与えられるのがユニーク。本体からおやつがポーンと飛び出すことで、ペットをカメラ前へと誘導できるほか、ペットがカメラに向かっておねだりするなど、双方向コミュニケーションを楽しむことができる。
■ファーボFurbo ドッグカメラ
実売価格例:2万7000円

おやつ機能が特徴の犬用ペットカメラ。マイクとスピーカーを搭載しており、声をかけながらおやつをあげるなど、遠隔コミュニケーションが可能。いたずらしているペットの行動を抑止することもできる。
●利用条件/Wi-Fi(2.4GHz)、Android8/iOS8以降
●カメラ/HD 1080p、160度アングル、4倍ズーム、自動暗視モニター
●電源/AC100V
●オーディオ/スピーカー、マイク内蔵
●サイズ/幅150㎜×高さ225㎜×奥行き120㎜
●重量/950g

AIを使用した自動通知サービスを採用。

ペットの動作を感知すると、スマホに知らせてくれる。
カメラで撮影したペットの自然な姿をスマホに送信してくれるサービス
ペットみるんは、カメラが撮影した画像を解析してユーザーに提供するアプリサービス。カメラがとらえた画像の中からペットの日常の姿を抽出して送ってくれるので、外れなくペットの映像を見ることが可能。1日に3回、ダイジェストの映像が送られてくる機能もおもしろい。
AI解析で犬や猫の映像を抽出するため、人間のみの映像はカットされ、家族のプライバシーが守られるのも特徴。録画だけでなくライブ映像も見られるほか、食事場所やトイレなどの位置を設定することで、行った回数をグラフ化するレポート機能も備える。
■TEPCO ペットみるん
料金▶【カメラレンタル】事務手数料1080円(初回)、月額540円
【アプリ利用料】月額1350円
※2019年3月31日(申し込み)まで無料トライアル期間あり。

ペットがいつもいる場所にカメラを設置し、自然な姿を撮影。その映像をスマホに送る新型サービス。撮影した動画や画像は、クラウドに保存されるため、スマホの容量も圧迫しない。ペットと飼い主のツーショット撮影も可能だ。

アイ・オー・データ・TS-WRLP。200万画素・フルHDに対応した高画質カメラ。高感度CMOSセンサーで、薄暗い場所もカラーで撮影できる。
専用トイレでおしっこの量や体重などを自動計測してくれる猫向けIoTサービス
また、カメラをペット用のトイレに搭載し、ヘルスケアに役立てるサービスも登場した。tolettaは、カメラと測定機を搭載したIoTトイレ。体調の変化が表れやすいおしっこの量や回数、体重などを自動計測し、アプリでデータを確認できる。カメラが猫の顔を見分けて個体識別するため、複数飼いの家でも個体ごとのデータを取ることが可能。首輪やタグをつけなくても見分けられるため、猫に負担がかからない点がユーザーに評価されている。
■ハチたまtoletta
料金▶初期費用無料、トイレ1台当たり月額540円(契約期間2年。途中解約の場合、残額は一括支払い)、送料2376円(1台当たり。全国一律)。
※製品やアプリの仕様、料金などは変更になる場合があります。

猫が毎日普通にトイレを使うだけで、おしっこの量やトイレの滞在時間、体重などを自動計測してくれるIoTトイレ。データは専用アプリでチェックでき、例えば、猫が24時間おしっこをしなかったときなど、飼い主の定めたしきい値を超えたら知らせてくれる機能もある。
●通信機能/Wi-Fi(2.4GHz)
●対応OS/Android5.0以降/iOS10以降
●電源/AC100V
●サイズ/
【筐体部】幅436㎜×高さ303㎜×奥行き 548㎜
【トイレスペース部】幅384㎜×高さ225㎜×奥行き494㎜
●重量/3.3kg。※製品やアプリの仕様、料金などは変更になる場合があります。

データは専用アプリでチェックできる。
脱臭、虫対策、カーペット水洗いにも対応
飼い主をサポートする家電
これらのほか、ペットだけでなく、飼い主の悩みを解消する製品も増えてきた。
「ペット用」をうたう毛・ニオイ対策の一台
例えば、トイレや動物臭のニオイ対策には、ペット向けの脱臭機が発売されている。例えば、富士通ゼネラルの脱臭機は、ニオイだけでなく、ペットの毛や表皮なども除去する集塵機能付きだ。
【脱臭機】
■富士通ゼネラル HDS-302G
実売価格例:2万930円

●適用床面積/~20畳
●風量/最大3.0㎥
●消費電力/最大28W
●サイズ/幅274㎜×高さ643㎜×奥行き262㎜
●重量/6.5kg
カーペットの水洗いが可能なアイテム
また、ペットの嘔吐やトイレの粗相でカーペットが汚れたときは、switleが重宝する。これは、キャニスター掃除機のホースに接続して使う製品で、水を噴射しながら汚れを吸い取れるため、手軽にカーペットの水洗いができる。
【水洗いクリーナーヘッド】
■シリウス switle
実売価格例:1万4800円

キャニスター掃除機につないで使う水洗いツール。特許の独自構造により、吸い取った水は汚水タンク内に、空気は掃除機本体に流れる。液体や個体、ゲル状のものも吸引可能。

●タンク容量/清水タンク:500ml、汚水タンク:FULLラインで600ml
●サイズ/幅148㎜×高さ283㎜×奥行き506㎜
●重量/1.2kg(本体)。
薬剤を使わずに虫対策ができる蚊取り空清
さらに、虫対策と空気清浄で使える、シャープの蚊取り空清も注目。薬剤を使わずに蚊やコバエが捕れる仕組みで、ペットがいる家庭でも安心して使える。なお、これらは、ペット向けといいつつも、一般にも使えるものばかり。裏を返せば、それくらいペット家電の存在価値が高まっているといえそうだ。
ハニカム状の金属に酸化触媒をコーティングした特殊フィルターが、ニオイを急速に吸着・分解。放出された空気が、カーテンやソファーなどの布製品に付着したニオイも脱臭する。
【空気清浄機】
■シャープFU-JK50
実売価格例:2万2590円

薬剤を使わず、蚊の習性と空気清浄機の吸引力を利用して、蚊やコバエを捕獲する蚊取り空清。三つのフィルターとプラズマクラスターが、ホコリや浮遊ウイルスなどを除去し、空気の汚れを浄化する。
●適用床面積(空気清浄)/~23畳
●風量/最大5.1㎥●消費電力/最大50W
●サイズ/幅394㎜×高さ540㎜×奥行き281㎜
●重量/5.9kg。
まとめ
見守りカメラは、安否確認や健康管理という側面もあるが、実際には「ペットの姿を見て癒されたい」という目的で使われることが多い。実用品であると同時に、ペットと飼い主の心をつなぐコミュニケーションツールとして親しまれている。なお、今回紹介したカメラは、いずれもセキュリティ対策済みだが、カメラを設置する際は、家庭のWi-Fiのセキュリティ対策も確認しておきたい。

監修/中村 剛 ・Profile/「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。
●取材・文/諏訪圭伊子(フリーライター)
※価格は記事作成時のものです