今回のインタビュー企画では、パーソナルスタイリストとしてご活躍される大日方久美子さんにお話を伺いました。
愛犬家として知られ、保護犬活動にも力を入れられている大日方さんならではの貴重なお話を伺うことができました。
何かと比べられる犬と猫。
ファーボはドッグカメラではありますが、ファーボファミリーのみなさんの中には、犬と猫を一緒に飼っている方も少なくありません。
個々の性格の違いはあれど、やはり犬と猫とでは、育てる側として異なる接し方をしなくてはならないことも多いですよね。
そこで今回は、「衣食住」ではなく「医食住」を中心に、犬と猫の違いを取り上げたいと思います。
猫は自宅を離れることを嫌い、自分の病気を隠す傾向が強いため、飼い主さんが異常に気づきづらく、なかなか診察に辿り着かないケースもあるようです。
だからこそ、飼い主さんが日頃から健康状態を観察し、異常に気づいてあげる必要があります。
人間の年齢に換算すると、猫は1年で4歳年をとります。
また、オスよりもメス、放し飼いの猫よりも屋内飼育の猫の方が、長生きと言われています。
反対に犬の場合、最初の1年で小型~中型犬が人間の15歳相当、大型犬が12歳相当、また、2年で両方とも24歳相当にまで成長します。
以後1年につき、小型~中型犬が4歳相当ずつ、大型犬が7歳相当ずつ、年をとります。
小型~中型犬は早く大人になりますが、その後の老化スピードは緩やかです。一方、大型犬は、ゆっくり大人になって、老化が早く訪れます。
一般に「シニア」と呼ばれる年齢は、猫が7~10歳。一方、犬については、かつて犬種や体格を問わず「7歳でシニア」と言われていたようですが、現在は基準が見直され始めています。
犬・猫ともに、特にシニアには、忘れずに健康診断を受けさせることが大切です。
猫は、進化の歴史を通じて、ほぼ肉食です。一方、犬は肉を好みますが、肉食傾向の強い雑食です。
甘味・塩味・酸味・苦味を感知する犬は、人間に非常に似ている一方、塩味に限っては、さほど敏感ではないそうです。
猫は、犬よりも食の好みにムラがあり、その理由は「味覚が敏感だから」とされています。
猫の味蕾(みらい)の数は、犬の4分の1しかありませんが、肉の味に反応するようにできています。猫にとって、魚や動物の肉以外のものは消化が難しいため、味蕾も肉に含まれる特定の物質(ヌクレオチド)に反応するようになったそうです。よって、反応がないものは、ほぼ食べないようになりました。
一方で犬は、甘味・塩味・酸味・苦味に加え、グルタミン酸塩等の旨味や、肉や脂肪に関する物質も感知します。
猫は犬に比べて、氷河期に小動物を捕食していた時代からペットになった現在でも、野生の部分を多く残しているのかもしれませんね。
「毎日の散歩が必要ない」というのは、猫を飼う理由の1つかもしれません。
確かに、犬を飼う場合は散歩に限らず毎日何かしら運動をさせることが必要です。
犬が運動不足に陥ると、肥満や糖尿病等を引き起こし、筋力や体力が低下し、ストレスから問題行動を引き起こしてしまうことが多いです。
猫は理想体重を10~20%超えると『ぽっちゃり』、それ以上は『肥満』だと言われています。
猫の体重が1kg増えると、人間が18kg太ったのと同じなのだとか。
肥満を予防・解消するとなれば、犬よりも、猫の方が難しいとされています。猫の運動は、多くの場合、屋内に限られ、また、強制的に運動させることはできません。従って、基本的には、摂取カロリーを抑える方法を採ることになります。
とはいえ、猫にも絶食や急激なダイエットは禁物です。
猫は、蓄えた脂肪を効率良く燃焼して、エネルギーに変えることができません。
絶食となれば、猫の体は、脂肪以外の体内組織を分解してエネルギーとして使ってしまい、これが時に肝リピドーシスという生命を脅かす疾患に発展することもあるそうです。
肥満の猫ちゃんを減量させるには、獣医さんと相談しながら、週の減量率が体重の0.5~2%の範囲になるように計画を立て、長期的に取り組むしかありません。
一方、犬は、蓄えた脂肪を比較的上手に使うことができ、猫よりは、ダイエットに向いているとされています。日常の運動と食事制限で、相乗効果を上げることが可能です。
それでも、できるだけ絶食やダイエットなどせずに、体重を管理したいものですね。
犬も猫も寿命が延び、それにつれて、飼い主さん達はますますペットの生活の質に関心を寄せるようになってきました。
飼い主もペットも、元気で笑顔の毎日を送りたいですね。