犬は私たち人間に愛情をたくさんくれます。でも犬は寿命が人間より短い。だから余計大事にしたいと思うんです。
ペットで犬を飼っているなら、愛犬が自宅でどう過ごしているのかは気になるところ。そこで、ドックカメラ「Furbo」を使って、留守中の様子をチェックしてみた。「Furbo」は単なる監視カメラとしての機能だけでなく、エサを排出しておやつを上げることも可能。声かけもできるし、逆に愛犬が吠えていたら通知してくれる機能もある。今回は、最新ペットIoTの「Furbo」を活用する技を紹介しよう。
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「Furbo」で自宅の愛犬とコミュニケーションが取れる! |
AI搭載型のドックカメラ「Furbo」で愛犬を見守る
犬を飼っていると、外出時に自宅の様子が気になるもの。筆者も様々な監視カメラを使ってきたが、2017年11月下旬に、犬の顔をAIで認識できるドックカメラがリリースされ興味津々。先日、実機をお借りできたので、早速使ってみた。
「Furbo(ファーボ)」は、カメラで撮影した自宅の様子を、スマホアプリで確認できるのがウリ。夜間撮影も可能なうえ、双方向の音声通話も可能。そして何より、エサをセットしておけば、任意のタイミングでおやつを上げられるのがユニークだ。
本体は15×12×22.5cmで、重量は950g。ネットワークはWi-FiとBluetoothを備え、カメラは広視野角タイプで、解像度は1080p。暗視モニター機能付きだ。メーカーの直販価格は2万7000円。
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「Furbo」の本体。重量は950gと見た目より軽い | 上部にカメラとマイク |
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おやつの射出口は上向き | ステータスを表すLEDは本体下部に備えられている |
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背面には、電源用のmicroUSBポートとリセットボタンがある | 木製のふたを外しておやつを投入。最大100個まで入れられる |
スマホアプリからBluetoothでつなぎ
Wi-Fiの設定を行なう
使い方は、電源ケーブルをつなげたら、スマホアプリから接続するだけと超簡単だ。Furboの電源を入れてLEDが緑色になったら、iOSもしくはAndroidアプリを起動する。その際、スマホのBluetoothをオンにしておくこと。初回起動時には、メールアドレスとパスワードを入力し、アカウントの作成が必要だ。
問題なければ、本体をWi-Fiに接続する設定を行なう。SSIDを選択し、暗号化キーを入力しよう。ちなみに、対応しているのは802.11 b/g/nの2.4GHz帯のみ。続けて、初期セットアップのために、Furboにおやつを入れたりするように指示される。
本体のLEDが緑色にならないようであれば、電源を抜いて再起動する。それでも無理なら、背面のUSBコネクタの隣にある小さな穴にクリップなどを差し込んでリセットする。
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Furboドッグカメラ(iOS版)
Furboドッグカメラ(Android版)
作者:Tomofun
価格:無料
※アイコンの横の文字をクリックで、ダウンロードサイトにアクセスします。
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「Furbo」アプリをインストールする | 「新規登録」をタップ。既にアカウントを持っているならログインする |
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メールアドレスとパスワードを入力する | Furboを検索する |
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スマホのBluetoothをオンにしておく | うまくいかない場合は、Bluetoothをオンオフしたり、本体やスマホを再起動してみる |
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接続できたら、利用するWi-Fiを選ぶ | 暗号化キーを入力する |
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画面の指示に従って、えさを入れたりする |
広視野角のカメラで愛犬の動きを観察できる
アプリが正常にセットアップされると、カメラの映像が表示される。まずは、「愛犬のプロフィール」をタップし、サムネイルや名前などを登録しよう。
きちんと設定されていれば、中央にはカメラ映像が表示されている。その中の再生ボタンをタップすれば、全画面でカメラ映像が表示される。この手の監視カメラ製品では、接続のスムーズさがポイントとなるが、「Furbo」はなめらか。Wi-Fiはもちろん、外出先からのモバイルデータ通信でも安定して接続できたのは嬉しいところ。
ナイトビジョン機能も搭載しており、モノクロ映像になるが、照明が消えた状態でも撮影できる。これなら夜間の監視もまかせられる。
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アプリにログインできた | 愛犬の写真やプロフィールを入力する |
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中央の映像をタップする |
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全画面でカメラ映像が表示される。広角カメラなので広い範囲が映る | 暗いところでは、自動的にナイトビジョン撮影になる |
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うちの黒豆柴、凜ちゃんは興味津々 |
遠隔地から声かけしたりおやつをあげたりできる
カメラ画面で右下のマイクアイコンをタップすると、「2-Wayオーディオ」がオンになる。自宅とスマホアプリの双方向通話が可能になるのだ。話しかけると、わずかなタイムラグはあるものの、クリアな音声が再生される。犬も飼い主の声とわかるようで、すたすたと近寄ってくる。その様子は左下のカメラアイコンやビデオカメラアイコンをタップして、撮影・録画できる。
カメラアイコン下部のおやつアイコンをタップすると、本体から可愛いサウンドが鳴り、その後エサが一粒射出される。射出時に、ガシャンと意外と大きな音と振動があるので、我が家の凜ちゃんはびびりまくり。
同社のウェブサイトにあるとおり、いきなり遠隔地から操作するのではなく、Furboの近くでエサをあげたり、Furboの中にエサがあることを教えることから始めてみた。すると、すぐに慣れてくれた。ちなみに、エサは1~1.5cm程度のドライフードが推奨されており、細かいモノだと詰まりの原因になるとのこと。
テスト時は本体を床置きしたのだが、それでも2~3mは飛んでいた。ウェブサイトには、高ささ30~50cmのキャビネットに設置すると、カメラの視野が広くなるとあったので、本体を設置する方向に危険なモノがあったり隙間がないことを確認しておいた方がいいだろう。
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右下のマイクアイコンをタップすると話しかけられる | 飼い主の声は覚えているようで、話しかけるとFurboを見る |
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カメラ画面のおやつアイコンをタップすると、射出される | 最初はびびりまくっていたが、おやつが出ることがわかればすぐに慣れた |
吠えたり人が入ってきたら通知してくれるので安心
「ワンワン通知」機能を有効にしておけば、家で愛犬が吠えていたら通知してくれる。そのままアプリを開けば、部屋の様子がすぐにわかるので安心だ。「2-Wayオーディオ」をオンにして話しかけたり、おやつをあげれば吠えるのをやめるかもしれない。
検知機能に反応する感度は「設定」から調整可能で、オフにすることもできる。ある程度通知はまとめられるので、吠え続けているからといって、連発で通知が来ることはない。
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左上のメニューボタンをタップする | 「設定」を開く |
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「ワンワン!通知」を開き、検知機能をオンにする。感度を調整する場合は下のゲージを動かす | 愛犬が吠えていると通知が来る。タップすれば、そのままアプリが起動するので即様子を確認できる |
おやつを上げるときに子犬の鳴き声のような音が鳴るのだが、愛犬が嫌がってもオフにすることはできない。その代わり、飼い主の声に変更することは可能。「設定」から「スナックコール」を開き、「自分で録音」をタップ。6秒までの声かけを録音し、設定することができる。
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「設定」から「スナックコール」を開き、「自分で録音」をタップする | 録音ボタンをタップして、6秒以内で声を録音する |
さらに、プレミアムサービスとして、AIを利用した「スマートドッグ通知」機能も利用できる。愛犬が動いたときや人が映り込んだときに通知してくれるのだ。一定時間動きがない後に検知したときは、「ワンちゃんが起きたみたいですよ!」と教えてくれるし、カメラをのぞき込んだときは「ドッグセルフィー通知」が来る。
愛犬の様子が手に取るようにわかり、仕事をしていても癒やされるのがうれしい。人を検知する機能も、家族が帰ってきたことをリアルタイムで把握できるのが安心だ。万一、空き巣が入ったときも、監視カメラ代わりに検知したり撮影できるのもありがたいところだ。ちなみに、プレミアムサービスを利用できるのは、新世代の「Furbo」(シリアルナンバーがFBCHから始まるFurbo)のみとなる。
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人が映り込んだ場合は、ファミリー通知が来る。逆に、人が動き回っている時には通知は来ない | 愛犬が起きたのも検知して教えてくれる |
「Furbo」のアカウントを複数台のスマホで共有することは可能。家族それぞれが外出先からアクセスし、様子を見たりおやつをあげることができるのだ。ただし、同時にアクセスできるのは2台までとなる。なお、複数の「Furbo」を使う場合はそれぞれ異なるアカウントが必要になる。
愛犬用の監視カメラを検討しているなら、「Furbo」は有力候補としてチェックすることをオススメする。ペットカメラだけでなく、人の動きも感知できるのでセキュリティーカメラとしても役立つ。双方向の通話やおやつを上げられるので、コミュニケーションを楽しめるのも大きなメリットだ。遠隔撮影・録画も可能なので、家に帰らなくてもSNSへ投稿できる。“ワン”スタグラマーとしては、手放せない機能になることだろう。
ネットワークカメラ単体と考えれば、2万7000円という価格は高く感じるかもしれない。しかし、エサを射出できるIoTと知識不要で外出先からアクセスできるネットワーク機能、プレミアムサービスではあるがAIを使った「スマートドッグ通知」機能など、盛りだくさんで愛犬家としては逆に安く感じるところだ。
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「Furbo」に満足げな凜ちゃん |
筆者紹介─柳谷智宣
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1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。