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困り顔の保護犬福のファーボ日記 Vol.13|福との日常 〜一日一日を大切に〜
2021/01/27

とにかく散歩が苦手であるという話をこれまでいろんなところでしてきました。

わが家の愛犬・福の話です。

それでも我が家に来て4年になり、ようやく外を歩くことの喜びみたいなものも少しはわかるようになったのか、この1年くらいはちょっとやそっとのことではパニックにならなくなってきました。


ところがですよ、冬になると途端に外に出るのを嫌がるようになるのです。

確かにこう寒い日が続くと、とーさんだって散歩にいくのが億劫になりますよ。それでも、朝の散歩を今か今かと、かわいい福が待ちわ詫びていると思えば、えいやっ!と布団を跳ね除けて気合を入れて起き上がるってもんです。

それなのに、当の本人(本犬)はといったら、散歩の時間になっても、ベッドの上でくるっと丸まったまま、一切動こうとしません(娘のベッドでいつも添い寝するように寝ています)。

「ほら!福散歩だよ」

と、声をかけてみても、上目遣いでこちらをチラリとみたら即座に狸寝入り(犬なのに!!)を決め込むわけですよ。そして絶対にハーネスなんて付けさせるものか、という気合をみなぎらせて、手足を丸めた体の奥にぎゅーっと仕舞い込んでしまうのです。

かの有名な童謡には「犬は喜び庭駆け回り」とあるけれど、はたしてそれはどこの犬のはなしでしょうか? 由緒正しい「野犬」の血を引いたわが愛犬はどうも寒いのが苦手のようです。

それでも結局は散歩に連れ出されてしまうことになるのはわかっているはずなのに、なぜ毎日この一連の「いやいや、散歩にはいきませんよ。どうぞとーさんおひとりで」的なやりとりをするのか。おかしくて毎朝吹き出しそうになるのをこらえながら、仕舞い込んだ右手、右足を順に掴んで、ハーネスを背負わせます。まるで「学校に行きたくないよ」と駄々をこねている子供にランドセルを背負わせるように。

ようやく散歩の準備を整えリードを引っ張ると、そこでようやく、ぐーーーっつ伸びをひとつ。そして、よっこらせとばかりに右足、左足とそれぞれをぴーんと伸ばしてストレッチ。本当にゆっくりと、もったいぶるように行う。やれやれ、散歩に付き合ってやるかね。

こうしてようやく散歩に出かけるのです。

⬆︎お散歩の様子


今年はお正月からずっと天気が良く、すっきりと晴れて空気がぴりりと張り詰めた日が続きました。しかしこの原稿を書いている二日ほど前から、まるでとーさんの生まれ故郷北陸の冬のような天気になりました。ずしっりと、絞ればじゃーじゃーと水が垂れてきそうな、湿った雑巾みたいな雲が空を覆い、北風が冷たい。それでも福とふたり歩き出してしまえば天気のことなんてすっかり忘れてしまうから不思議です。一緒に歩ける喜び。一歩一歩小さく跳ねるように進む福に合わせて進んでいくのはとても愛おしい束の間の時間です

歳を重ねてくると、とにかく時間が経つのが早いと感じます。だから、うっかりしていると本当に今大切にしたいこの時さえもあっという間に過ぎてなにも残らない過去になってしまうという怖さみたいなものを、ここ最近感じることがあるんです。だから、犬と一緒に歩く時間、散歩から帰ってブラッシングする時間なんかを「早く終わらせてご飯の支度!」「さっさと終えて仕事の準備!」という作業と考えてしまうと、その大事な瞬間に心がそこを見ていないというか、何も感じない時間になってしまう。

だから、最近は特に意識してそんな時に福の睫毛や瞳の色、撫でた時に指先に残る毛の感触、そんなことまで焼き付けるようにしているのです。

 

⬆︎福と遊ぶ様子

 

コロナで我々の暮らしを取り巻く環境は一変しました。それでも、あえてよかったと思うところをあげるとするならば、ずっと追われていたような時間から解放されて、こうした「今を感じる」ことができるようになったところでしょうか。いや、本当にたいへんな思いをされている感染された方やご家族、医療従事者のみなさん、そして自粛を余儀なくされている事業者のみなさんには「呑気なこというな」とお叱りを受けそうですが。あくまでも「あえて」ということですので。


そうやって散歩の時間を、日々、こころに刻み込んでいるとーさんですが、家には早く帰ってきてご飯にしてくれよー、とにゃーにゃー催促してくる二匹の子猫(でもないか?もう1年たったし)が待っていますから、ときどき、福が散歩中にあたりのにおいを嗅ぐのに夢中になっている隙に、さっとスマホを取り出してファーボで家の様子をチェックします。(鳴き声や動きを感知してアップルウォッチにお知らせが届くようになっている!)そうすると、だいたいは待ちきれずに部屋の中をうろうろ徘徊している姿が見えて、ほっと安心するのです。いるのはもちろんわかっているのに、やっぱりこうやって確認できるとうれしいんですよね。だからついついスマホを見ちゃいそうになりますが、ながら散歩は危険だし、なによりさっき自分でいった「この時を大切に」してないやないかい!!ってことになりますのでほどほどに。

 

⬆︎Furboのある風景


というわけで、今回はいつも変わらない日常と、変わってしまった日々について思うことをつらつらと書いてみました。たいへんな毎日だけど、動物たちと暮らしているとなんだか背中を押されている気がするのはとーさんだけではないはず。わが家の福もともももえも、過酷な日々を生き抜いてきた同志。先を見て悲観的にならず、過去を振りかえることなく、今を精一杯感じて生きていこうじゃないか、そんな気持ちにさせてくれます。


最後にこれまたドッグカメラなのに猫の映像ですみませんがこちらが留守中の様子。お楽しみのようで・・・やれやれ

 

 

小林孝延
福井県出身。編集者。月刊誌「天然生活」創刊編集長、「ESSE」編集長を経て      現在は(株)扶桑社執行役員兼編集局長。保護犬福と保護猫とも&もえと暮らす 朝日新聞の犬猫サイト「sippo」にて「とーさんの保護犬日記」連載中
Instagram @takanobu_koba
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