「世界中のペットラバーに喜びとイノベーションを与える」ことをミッションに掲げる当社は、医療従事者の皆様の感謝を形にしたいという想いから、2020年にFurboの無償提供を行いました。
今回は、Furboを受け取った方々からのメッセージを少しだけご紹介いたします。医療従事者の皆様が、愛犬家として、どのような日々を過ごされているのか、多くの方に知っていただけましたら幸いです!
こんにちは。先月から始まったこの連載。おかげさまで皆様からたくさんの反響をいただいております。本当にありがとうございました。
その中でも触れましたが、僕がファーボを買った理由はふたつ。ひとつは我が家の保護犬福が留守番しているときの様子をどうしても知りたかったということ。そしてもうひとつは、当時、病と闘っていた妻の様子を仕事中でも見守ることができたから、なのです。まあ、これは本来の使い方ではありませんしメーカーさんもきっと推奨していないと思います。が、僕にとっては本当に心強い存在でした。
そんな当時の小林家の様子が、このたび2月28日に放映されるフジテレビ「坂上どうぶつ王国」で実際の映像と再現ドラマで紹介されます。
福が闘病中の妻のもとにやって来て、妻が旅立つまで2年間のお話を以前、僕が朝日新聞の「SIPPO」という犬猫サイトに執筆したところ100万人以上の人に読んでいただくことができました。それがきっかけとなり、テレビの制作スタッフから連絡が来たのが昨年の秋。それから、メール含めて幾度となく取材を重ね、さらに我が家の娘と息子への取材。そして自宅で福の撮影と、本当に丁寧に取材を重ねて、ようやく一本のコーナーが出来上がりました。
番組の取材に答えるために、自分と亡き妻のスマホの写真はもちろんLINEやメッセンジャーのトーク履歴の洗い出し、ファーボで撮影した動画の掘り起こし作業などを行いました。
改めてテレビってすごいなあと思いましたよ。番組のコーナーはおそらく20分ほどだと思いますが、そのために何度も何度も足を運び、資料と照らして事実確認を行いました。今時のネットでひょいっと拾ったネタでニュースにするメディアとは全然別物ですね。
当時の資料に当たりながら、自分と自分の家族と向き合う日々はなかなか苦しくもありました。そして、あーあー、なんで自分はあんな態度をとったのかな。とか、あの時こんな風にすればよかった、と後悔は絶えません。が、改めて当時を振り返り、心を整理することができたことも事実です。子供たちと今は笑顔で、ドラマにも描かれていたような言い合いが絶えなかった時期の話ができるようになったのは、妻が最後に僕たちに残してくれたギフトだなと心底思うのです。
再現ドラマの中でも触れていますが、在宅で癌治療をしていた妻は僕たち家族が日中仕事や学校に行っている間は福とふたりだけで留守番していました。もちろん、気持ちとしてはずっと付きっきりでいたいのですが、実際そうもいきません。そこでファーボが活躍してくれました。仕事の手が空いたとき、あ、今頃どうしてるかな?大丈夫かな?と気になってスマホのファーボアプリを立ち上げると、リアルタイムでソファで休んでいる妻と福の様子が現れます。当時、強めの抗癌剤を投与していた妻でしたので、歩くこともままならなず、ほぼ横になるか、ソファに腰掛けているかでした。ファーボからはそんな妻にぴったりと寄り添う福の姿を見つけることができたのです。
また、抗癌剤のサイクルで休薬中、少し病状が安定しているときなどは掃除や洗濯など家事をこなすこともありました。そんなときはまるで影のように薫にまとわりつく福の様子がスマホに映し出されるのです。ほっと安心すると同時に、ときには内蔵マイクを通じて
「調子いいからってあんまり動いちゃだめだよ!休んで」と声をかけることも。
そんなとき妻からは「監視社会か・・・」と苦い顔されたりしましたけどね(笑)
番組でも当時のファーボの画像が使われていますが、当時の映像がこんな形で残っているなんて、本当によかったなあと思います。
スタジオ収録には僕は娘とふたりで参加しましたが、メインMCの坂上忍さんはじめ出演者のみなさんが再現VTRをいったいどんな気持ちでご覧になるのか、本当にどきどきでした。僕たちも収録時まで仕上がりを見ることはできませんでしたので、めちゃくちゃ緊張しましたよ。
事前に家族の写真を送ったディレクターさんからは「できるだけ雰囲気が似た人を選びますね!ご家族もわんちゃんも!」という話を聞いていました。娘は「私役の女優さんがかわいい人だといいなあ」なんていってましたが(笑)。
しかし、さすがプロですね、妻の雰囲気、娘の雰囲気は本当によく似ていて僕ら家族もびっくりでした。そして福ちゃん!なかなかうちの福みたいに困った顔のタレント犬はいないとのことでしたが、いやいや、なかなか雰囲気でてました。
VTRが流れるとスタジオでは出演者の席からも観覧席からも啜り泣きの声・・・僕の隣でうちの娘も泣いてました。僕はというと・・・「あーもう少し髪型をちゃんとすればよかったなあ」「いや、これからはもっと年相応の渋い髪型に変えようかな」と思ってました(こら!!!おまえ!!)。番組では福と僕ら家族の出会いの経緯だけは割愛してますが、ほかは実際の出来事に忠実に仕上げておりますので、もしもお時間あればごらんくださいませ。
ということで、当時からずっと我が家にとってファーボはなくてはならない存在です。妻が旅立ち、ひとつの役割を終えることになった現在も、ふたたびドッグカメラとしてと同時にキャットカメラとしてまたもやメーカーさん非推奨の任務を健気に遂行している次第です(おまえってやつは!)
妻の一周忌を迎えた頃、我が家のベランダにやってきた野良の子猫きょうだい。今は猫たちも家族に迎え入れ、楽しくファーボで留守番させていますが、そのお話はまた次回ということで!!