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おるすわん図鑑 vol. 10 〜 繊細な神経の持ち主で、気配り上手なマルチーズ〜
2018/05/09

白く艶やかな毛に包まれた小さな顔。

ボタンのような黒い目と鼻。

時代を超えて愛される小型犬のマルチーズ。

今回は、愛らしいマルチーズと言う犬種の歴史や性格について紹介します。



歴史

マルチーズの歴史は紀元前から始まったとされており、マルタ島を中心とする地中海地方が原産地というのが有力説です。

その一方で、先史時代にスイスの湖上民族に飼われていたスピッツのような容姿の犬が起源とも言われており、また、アジア産の犬がフェニキア人の船で、またはチベタン・テリアが遊牧民族により中東を経てマルタ島へ持ち込まれたとも言われます。

いずれにしろ、多くの遺物や書物から、マルチーズが古代からネズミの駆除で重宝され、人の傍で暮らし愛されたことは明らかです。

19世紀の英国では、ヴィクトリア女王の母であるケント公妃に愛されたことでも有名。

貴族社会のような富裕層から、後に一般家庭へと広く受け入れられるようになりました。

 

 

気質

マルチーズは、一生を通じて活気があり遊び好き。

居住環境を問わず、都会のマンション生活にも適応可能です。

「散歩時間も短く小型で扱い易い」と、一人暮らしの方や小規模世帯、またはお忙しいご家族や高齢者世帯がペットに迎えられています。

また、シングルコートで毛が抜けにくいことから、アレルギーを心配されるご家族が、この犬種を選ばれるケースが増えています。 

(人間のアレルギーは、体毛だけではなくフケなども原因となります。シングルコートだからといって、必ずしもアレルギーを発症させない訳ではありません。ご注意ください。

 

この犬種は自分の家族に対する気配りが細やか。

普段はさほど仲良くないのに、同居ペットが体調を崩すと傍に寄り添ったり、「ママ、あの子、なんだかいつもと違うよ」と知らせたりします。

意外と面倒見の良いお姉ちゃん、お兄ちゃんぶりを発揮してくれるようです。

 

このように、マルチーズの繊細な神経が良い方向で発揮されることもあれば、普段と違う周囲の物音、生活パターンや環境の変化などに過敏に反応することもあります。

興奮して吠え続け、さらには逆クシャミ症候群を起こすなど、体調を崩してしまうことも多いようです。



この犬種と暮らすご家族のお悩みで一番多いのが吠え癖。

「ちょっとしたことに吠える」

「一度吠え始めたら、こちらが注意しても聞かない」

「屋外散歩中に他のワンちゃんや人に向かって吠える」

など問題はさまざまですが、最も深刻なのは「夜間に吠え続ける」こと。

ご家族の睡眠も妨げられる上に、ご近所にも迷惑をかけかねません。

 

夜間に吠え続けるケースは、比較的年齢の若いワンちゃんに多いそうです。

子犬は排泄の間隔が短いため、夜間に吠えて便意を訴えることもあるでしょう。

まずはワンちゃんの排泄リズムを知り、相手が催促する前に排泄させるなど、先手を打つことが大切です。

 

また、運動の時間や量は十分でしょうか?

就寝前に疲れさせる必要があれば、散歩のコースを変えるとワンちゃんの疲労度が増します。

また、散歩が難しい場合は、宝探しなどのゲームや知育玩具で頭脳を疲れさせる方法もご検討ください。

 

さらに、ワンちゃんの就寝場所を見直すことも有効かもしれません。

玄関先などは屋外の物音が聞こえやすく、吠えるきっかけになる可能性が高いです。静かに安心して過ごせる環境を用意してあげましょう。

また、夜間に目を覚ましても、独り遊びでストレスを発散できるオモチャを与えるなど、工夫を加えることで、問題発生の頻度を減らせるのではないでしょうか。

 

夜を独りで静かに過ごせたら、楽しいお散歩または美味しいごはんで新しい一日を始めましょう!

 


マルチーズとお留守番

マルチーズに関する海外での調査によれば、分離不安による問題行動や症状を見せたワンちゃんは、調査対象の半数以上。

重度のケースでは、獣医さんから弱い安定剤を処方されているワンちゃんもいました。

 

分離不安のマルチーズが見せる典型的な問題行動や症状は以下のとおりです。

(分離不安が原因の一般的な問題行動や症状については、当ブログの過去の記事をご参照ください)

 

  • ウロウロと歩き回る、ベタベタとくっつきたがる(ご家族が出発の準備を開始~出発)
  • 過剰に興奮、過剰に吠える、過呼吸、逆クシャミ症候群、震え、失禁、パニック発作(ご家族が準備を開始~出発)
  • ゴミ箱漁り、教えられた場所以外での排泄(留守番中)
  • 身体を舐め続ける 毛をむしる(留守番中)
  • 噛んではいけないものを噛む、何も飲まない・食べない(留守番中)
  • 異常な興奮、飛びつき、ベタベタとくっつきたがる、失禁(ご家族の帰宅時)

 

上記の問題行動や症状が見られたら、まずは動物病院で肉体的な疾患がないことをご確認ください。

失禁や発作などは、糖尿病や循環器系の疾患など肉体的な問題が原因かもしれません。

 

ゴミ箱漁りや破壊行動の場合、その痕跡を見るだけでは、留守番の退屈しのぎか、分離不安かを見極めることは困難です。

原因の特定には、いつ、どのような問題行動や症状が現れるかを確認する必要があるからです。

 

ご家族の外出準備から出発後、しばらく時間が経過するまで(全体で1時間程度)、ワンちゃんの様子を動画撮影することをお勧めします。

動画を獣医さんに見せれば、効率的な診断や効果的な対処につながります。

 

なお、マルチーズと暮らすご家族からのアドバイスは次のとおり。

 

  • お留守番トレーニング(段階的に10分程度から数時間まで)
  • テレビやラジオをつける。
    水や食べもの、噛んで良いオモチャや独り遊び用オモチャ(2種類以上が望ましい)を与える。
  • ご家族が使用されている寝具などを与える。
  • クレートやサークルなど、安心して休める場所を与える。
  • 出発の際は静かに。
    ワンちゃんに挨拶しない。
    コングなどを与えて気を逸らせる。
  • 帰宅後直ぐは、ワンちゃんにかまわない。
    挨拶しない。
    ワンちゃんの身体を触らない。
  • 他に犬や猫を飼う。
  • 「サンダー・シャツ」を着用させる。
    安定剤を服用させる。
  • 犬の預かり施設を利用する

 

「サンダー・シャツ」は、ボディボディー・ラップ型のシャツ。

適度に身体を引き締める素材・デザインで、ワンちゃんの不安や恐怖、興奮を抑えます。

海外でマルチーズと暮らす多くのご家族が着用させているようです。

 

犬種を問わず、事前の充分な運動・食事・排泄は、問題行動や症状を抑える上で最も効果的です。

ワンちゃんが疲れて、お腹がいっぱいになれば、寝て過ごしてくれるため、孤独を感じる時間は短くなります。



その一方で、「マルチーズが無理なく留守番ができる時間は成犬で最大4時間」という情報もあります。

他犬種では最大6~8時間なので、これはかなり短めと言えるでしょう。

その上、ワンちゃんが高齢または療養中である、ご家族に残業が多いなどの事情で、ご家族は外出先でもワンちゃんの様子を心配されておられるかもしれません。

 

Furboのスマートドッグ通知は、お留守番中のワンちゃんの動きを察知して、お手元のスマホに通知します。

さらに、外出先からコミュニケーション機能を利用して、ワンちゃんに声をかけたり、おやつを与えたりすることも可能。

ワンちゃんも、大好きなご家族の声を聞けば、孤独のストレスや緊張がほぐれることでしょう。

 

人間もワンちゃんも、ストレスのない毎日が最善の健康法。

繊細なマルチーズには、原因を排除する配慮や工夫が必要かもしれません。

ストレス・フリーな環境を整え、ご家族全員が元気に笑顔で過ごせますように!

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