春は新しい環境へ移る季節。
愛犬家の皆様も、新生活の始まりと共に、新しいお家での生活が始まったり、仕事環境も変わったりする方も多いのではないでしょうか?
もちろん、ワンちゃんの生活にも飼い主様と同様に環境の変化が訪れます。 ワンちゃんの中には、環境が変化しても気にせずに過ごす子もいますが、中には変化に対して様々な症状を来す子もいます。
住環境が変わったり、散歩コースが変わったり、留守番の時間が変わったりと、生活環境が変化することで、ワンちゃんの心身の健康にも直接影響が及びます。
そこで今回は、愛犬と新生活を過ごす上で注意すべきポイントを4つお伝えします。
①環境の変化から影響を受けやすい犬の特徴
・子犬
・7〜8歳以上の高齢犬
・慢性的な病気を抱えている犬
・ストレスに対して過剰に反応する犬
上に挙げたようなワンちゃんを飼っている方は、ご家族の生活環境が変化する際、特に注意する必要があります。
②生活環境が変化した際にワンちゃんが引き起こしやすい症状
・食欲不振
・マーキング、臭い付け
・下痢や嘔吐などの胃腸炎症状
・誤食
・ペットシーツをびりびりにするなどの破壊行動
生活環境が変化して、すぐにこのような症状が見られた際は、なるべく早く動物病院へ連れていきましょう。
③ワンちゃんを新しい環境に慣れさせるためには?
・ケージやお散歩グッズ、食器などは継続して同じものを使用する。
・最初の時期はなるべく犬が喜ぶ行動をとる。
・食事の時間や散歩の時間は、なるべく以前の時間帯と合わせる。
・留守番や遠出などの極端な変化は少なくし、愛犬が日常的な変化に慣れた後にさせるよう心がける。
④ワンちゃんの体調の変化に気づくためには?
・環境の変化前と変化後で体重を記録する。
・新しい環境では、嘔吐跡や便の調子を小まめにチェックし、下痢などに注意する。
・誤食や誤飲を防ぐために床に物を置かないように心がける。
・体調の変化を見逃さないよう、カメラなどを設置して留守番時間の行動もチェックする。
いかがでしたか?
環境の変化はワンちゃんの心身にも様々な変化をもたらします。
今回の記事を参考に、未然に予防を行いつつ、もし症状が出てしまった際は早めに動物病院での治療を行なっていただければと思います。
愛犬家の皆様とワンちゃんが新生活をスムーズに送れるよう願っています。
稲野辺悠
神奈川県出身。獣医師。夜間救急動物病院、東洋医学専門動物病院、八王子市永井動物病院院長を経て、現在は麻布ペットクリ二ック院長。Instagram「ノーリミット獣医師 ゆってぃー 」YouTubeチャンネル「アニマル戦隊」にてペットの健康情報や番組を配信中。