このプロジェクトでロッキーさんが建てているのは、単なる簡易的な犬小屋ではありません。犬が寛ぐ場所や家具など、そこで快適に暮らすために必要なものがすべて備わっている、人間が暮らすような家を小さくしたものです!
保護犬たちはそこで、里親が見つかるまでの間快適に暮らすことができます。またそれによって、保護犬たちが里親に引き取られた後、その家の環境に慣れやすくすることができるのです。
こんにちは。ふくです。とーさんは最近「ねんどまつ」というものがやってきているそうで、いそがしいいそがしいといっています。
ねんどまつのせいか、あんまり遊んでくれません。締め切りの原稿もほったらかしになっています。なので、ねんどまつのかわりに、今回はわたくし、ふくが原稿を書くことにしました。あ、ねんどまつのかわりじゃないね、とーさんのかわりだね。
おかげさまで、とーさん、ふく、とも、もえ。きょうもげんきにくらしています。そしてベランダにときどきやってくる、黒い子と、白黒の子もげんきです。黒い子と白黒の子は、とーさんから、時々、おいしそうなものをこっそりもらっているようで、わたしたちよりもつやつやと毛並みがよく、おおきくなっている気がします。
黒い子は、最近よく、べらんだに敷いたマットの上でひとやすみしています。それをみつけると、わたしはいちもくさんに窓ガラスにとっしんします。
なぜ?
それはきっと犬だから。犬ならばとっしんあるのみです。
とっしんのきもちはだれにも止められません。
あと、最近流行っている遊びを紹介します。
メロンパン投げです。
ルールはかんたんで、できるだけ遠くにメロンパンを投げた人が勝ちです。
いつ、ともちゃんともえちゃんがメロンパン投げ勝負をしかけて来ても勝てるように、日々たんれんしています。
ほかにロールパンやクリームパンも持っていますが投げるのはメロンパンにかぎります。
ときどきこうして、ともちゃんに取られないようにメロンパンを守りつつ、中身のクリームを点検しています。
とーさんはリビングにおいてある「ふぁーぼ」というカメラで、ときどき私たちがおりこうさんにしているか、チェックしていることを知っています。もちろん知らないふりをしてあげていますが、ほんとうは知っています。
だから、とーさんがあんしんするように、ラグの上で ともちゃん と もえちゃん と、なかよく、くつろいでいます。
ときどき、ともちゃんは猫ぱんちをしてきます。
むかしのともちゃんの猫ぱんちはマジだったのできらいでしたが、最近のともちゃんの猫ぱんちはだいぶソフトタッチです。いい子になったと思います。わたしの教育のたまものです。
さんぽ、朝ごはん、ひるね、とっしん、ボール遊び、ひるね。ボール遊び、ねことくつろぐ、ひるね。こうしてわたしの毎日は過ぎていきます。そして、とーさんが帰ってくるのを、いまか、いまかと待っています。でも、なかなか帰ってこない日は少し悲しくなって
おおおおおおん
おおおおおおおん
と、遠吠えをします。
遠吠えをすると、とーさんに遠吠えが聞こえるようで、ふぁーぼからおやつが飛び出してきます。
「ふくちゃーん」と、とーさんの猫なで声も飛び出してきます。
姿は見えないけれど、声が聞こえると、ちょっとだけ安心な気持ちになります。それでも帰ってこないときは、ときどき腹いせにおしっこをしてやります。
ふぁーぼには、おしっこをするとそれをじどうてきに検知する機能がついているので、ふぁーぼにバレないようにこっそりとおしっこをすることにしています。
おなかが空いて、さみしくて時々吐いてしまうこともあります。
吐いてしまうと、とーさんが帰ってきたときに
「あーあーーー」
と、とても悲しそうな顔をするので、
がんばって、できるだけ吐かないように、おえっとなるのをがまんしているのですが、やっぱり、ときどき、がまんしきれなくて吐いてしまいます。
ごめんなさい。
待っているうちに、夜になって、気がつくとそのまま寝ていました。
とーさんからごはんをもらうおいしい夢をみました。
うす目をあけて暗い部屋で耳をすませていると
玄関の「門」が開く音がしました。